世界文化遺産となった平泉・毛越寺(もうつうじ)とは、岩手県西磐井郡平泉町にある古刹です。
奥州藤原氏2代目・藤原基衡(ふじわらのもとひら)が建立しました。
毛越寺は莫大な財力を尽くして造営され、その寺院の数は堂塔は40・僧坊は500余りのお堂が存在していました。
それは『国無二の霊地』(この国においてこれ以上の霊験あらたかな場所は無い)と称される程のもの。
そして仏教の極楽浄土を表した浄土庭園『大泉が池』は、日本最古の造園書物【作庭記】による京の庭園技法に沿った浄土式庭園とされています。
浄土庭園を切り絵で表した『限定御朱印』を頂いて参りました✨
毛越寺の歴史
慈覚大師円仁により嘉祥3年(850)お堂を建立したのが始まりです。
中尊寺も同じ年に円仁によって開かれたと言われています。
その後奥州を治めることになった奥州藤原氏初代・藤原清衡が再興しました。
息子の2代目・藤原基衡が清衡の意志を継ぎ、金堂円隆寺をはじめ庭園で仏教の浄土世界を表現し平和な国造りを発展させました。
基衡の死後は3代目・藤原秀衡に受け継がれさらに発展し全盛期を迎えます。
しかし奥州合戦で奥州藤原氏は滅亡し、さらに何度も火災に遭い建物は焼失しましたが、大泉が池や寺院の遺跡は残っていて現在も当時の面影が残ります。
平成23年(2011)に世界文化遺産に登録されました。
アクセス
【毛越寺浄土庭園】
〒029-4102
岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58
TEL:0191-46-2331
FAX:0191-46-4184
営業時間:8:30~17:00
(11月5日~3月4日は16:30まで)
【拝観料】大人:700円、
高校生:400円、小中学生:200円
駐車場あり(300円)
毛越寺公式HP
●JR平泉駅より徒歩8分
●平泉・前沢ICから車で10分
ゆっくり見てまわって所要時間は1時間ほどでした。
その他、毛越寺内にある【宝物館】や、お休み処【松風庵】で甘味を楽しみました💛
毛越寺の由来
毛越寺の名の由来は諸説ありまして、通説では平泉にある地名の『毛越(けごし)村』にちなんでと言われています。
【白鹿伝説】によると、慈覚大師円仁がこの地に訪れたとき、霧に覆われ前に進めなくなった時に白鹿の毛に導かれ進むと、白髪の老人に出会う。「この地に堂を建立して霊場にせよ」とお告げを受けたことが毛越寺の由来という説もあります。
また、跡継ぎ問題で勝ち抜いた剛胆な藤原基衡は、奥州藤原氏の勢力地を毛野国(群馬・栃木南部)や越国(北陸)まで広げるくらい気合いを掲げる意味で『毛越』と名付けたとする説もあるようです。
逆に、越国からの由来という説もあり↓
康平五年(1062)高階経重康が、陸奥守鎮守府将軍となり赴任する時、越国前の道を選び、毛屋郷(福井県)平泉寺修験衆を従え下向したと考えられる。
北の白山信仰 前田速夫/(株)河出書房新社
毛越というのは越国毛屋郷の人達の移住地のことであり、平泉というのは平泉寺衆徒の移住地のことであった。
毛越寺の越はツウとは読みません。慣用音でオツと読み、モウオツジがモウツジになりモウツウジと呼ぶようになったそうです。
参拝レポート
【毛越寺本堂】
毛越寺の山門を入り真っすぐ歩くと『本堂』があります。
平成元年に再建したようですが、ガイド本に見る本堂より朱色が弱くなってきておりますね。
中には無病息災を願う『薬師如来像』が安置されています。
【毛越寺伽藍復元図】
これを見て初めて驚きました。あの大きな池には渡り橋があったのですね!
その先には塔山を背景にたくさんの仏堂が、、平安時代の貴族の庭園を真似て・・とは思えない規模の庭園ですね。
平安時代の浄土式庭園は唐から伝わったものです。
藤原氏は宋と直接貿易を行っていたのでそこから得た技術かもしれません。
【大泉が池】
ここに、此岸(しがん)と彼岸(ひがん)を結ぶ橋がかかっていたのですね。
実物を見たかった✨
【築山(つきやま)】
この松のある岩山も計算されて造られたものです。
ゴツゴツしていて『磯(いそ)』的な感じでしょうか。
【開山堂】
慈覚大師円仁を祀る堂で、大日如来像や『藤原氏三代』の肖像が安置されております。
【金堂円隆寺】
藤原基衡が万宝を尽くして建立した勅願寺です。
基衡がものすごい数の贈物を仏師運慶に送って依頼して出来た薬師如来像があった跡地です⭐
そして出来上がった仏像の素晴らしさに鳥羽天皇は平泉に送らないよう命じて、基衡は寝込んでしまったそうです。
そりゃあそうですよね、お金かけて依頼した仏像を権力で横取りされたんですから!(その後何とか手を尽くして取り戻したようですけど)
【遣水(やりみず)】
山の水を池に入れるための水路です。
谷川を蛇行しながら下りゆっくり流れる川を表現しているそうです。5月のお祭りイベント『曲水の宴』はこの場所で行われます。
【常行堂】
享保17年(1732)に再建された建物。正月20日の祭礼にて「延年の舞」が神仏に奉納されるようです。
【州浜(すはま)】
海岸の州浜を表現していて、曲線は入り江を形作っています。
出島・地中立石と対比させるように配置されているそうです。本当に、見る場所によっていろいろな景観が楽しめます!これも計算ですか、素晴らしいです✨
【出島・地中立石】
毛越寺といえばこの石です。
昔見たときは、この出た石が何か・・?という感じでしたが、日本庭園を知らないとまず始まらない趣です✨
出島は『荒磯(あらいそ)』を表しているそうです。奥にある立石は三陸リアスの岩礁に見えませんか?💡
お休み処【松風庵】でいただいた平安スイーツです🌸
索餅(さくべい)という名前で、7月7日の七夕に無病息災を祈って貴族たちが食べていたお菓子だそうです。
甘さが少なく食べやすかったですよ★
『2022限定御朱印』
【御朱印料】1000円
【浄土庭園切り絵御朱印】美し過ぎる御朱印です🌸
こちらは毛越寺の史跡指定100年、特別史跡指定70年を記念した限定御朱印です。
2022年6月20日の【毛越寺あやめ祭り】に合わせて授与が開始され、あやめ祭り終了までとなります。
2022年5月に開催した春の藤原祭り【源義経公・東下り】に合わせて高館義経堂でも限定御朱印が配布されたこともあり、 今年の平泉イベント時は限定御朱印が期待できるかもしれません❣
あやめ祭り以降の期待できそうなイベントは以下になります↓
あやめ祭り『2023限定御朱印は?』
2023年も、あやめ祭り期間中に限定切り絵御朱印が頒布されるようです!
【御朱印料】1000円
今年はあやめが咲く場所に鎮座している【開山堂】を切り絵で表しております✨
🟣頒布場所:開山堂礼所(10:00〜15:00)※毛越寺内
🟣授与期間:6/20(火)〜7/10(月)
🟣御朱印料:1,000円
🟣見開きサイズの書置き
芸術品としか言いようがない美しさ。平泉に訪れる際は御朱印情報をチェック★
平泉おすすめランチスポット
毛越寺から徒歩15分、車で3分の場所にある【お休み処夢乃風】です。
平泉・一関の地域は祝いの席などでお餅でもてなす文化なので、メニューにお餅があるのです💕
そのほか、わんこそばと餅セットやひっつみや平泉ホルモンなど。岩手の名産グルメも楽しめますよ⭐️
お雑煮のおダシが効いてすっごく美味しい!
※駐車場は3台停めれる程でした
毛越寺参拝の後は、平泉のお餅ランチいかがでしょうか🎵
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