2022年11月11日公開の映画、新海誠監督のアニメ『すずめの戸締り』を鑑賞し私は涙腺崩壊しました。
なぜならこの映画は、『君の名は。』『天気の子』と続き災害3部作といわれていて、今回の映画の内容がまだ日本国民の記憶に新しい・・・震災がテーマとなっているからです。
そして舞台の最終地点は東北の沿岸地域、
私にとって岩手県沿岸部はたまに遊びに行く場所ではありますが、改めて被災地であったという心持ちで舞台となった岩手県沿岸部を聖地巡礼して参りました!
災害のことは忘れてはいないけど、被災者がいたということをたまに忘れていた自分に気づかされました。
すずめの戸締り。宮城編はこちら★
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すずめの戸締りの移動ルートの真実
すずめの戸締りの内容をざっくりと説明します。
主人公の女子高生・岩戸鈴芽が、『後ろ戸』から発生するミミズと呼ばれる自然災害の原因を防ぐために全国各地にある『後ろ戸』を閉じてめぐるロードムービーです。
舞台の移動ルートは
宮崎県 → 愛媛県 → 兵庫県 → 東京都 → 宮城県 → 岩手県
となっています。
作中で後ろ戸を封印する要石が東西に2つ存在していますが、現実にも全国に要石なるものがある神社が数か所存在しているようです。
例としてかなり歴史の古い神社、『宮崎県の高千穂神社』と『茨城県の鹿島神宮』にも要石が存在します。(しかも昔地震の原因と思われていたナマズを封印したものもある)
現実に祀られている要石がある場所と後ろ戸がリンクしている?かと思いきやそうでもなく・・・。
しかし、龍脈と呼ばれる中央構造体の地点と今回の鈴芽たちの移動ルートはリンクしているようです。
中央構造体とは?
地中を流れる気のルートのこと。大地の気は山の尾根伝いに流れると考えられており、その流れが龍のように見えることから「龍脈」と呼ばれる。
コトバンク
後ろ戸から出る災害の原因となるミミズは、人間が勝手に荒らしてほったらかした土地から出た祟り神のようなもだと推測します。(もののけ姫に出てくる祟り神に似ていたので)
龍脈はレイラインやパワースポットと呼ばれるので、まさに鈴芽たちはパワースポットを巡り土地神様を鎮めていたということになりますね!
【岩手】すずめの戸締りの舞台
鈴芽の旅の終着地点は、東日本大震災の被災地である岩手県となっております。
話題となっている『すずめの戸締り聖地巡礼スポット』と、映画を見た私の記憶を頼りに近しい風景を探してみました。
津波で乗り上げられた船(岩手県上閉伊郡大槌町)
引用:(C)2022「すずめの戸締り」製作委員会
映画の冒頭シーンで、幼い鈴芽が泣きながら荒野を歩く場面に使用されたと思います。
建物に乗り上げられた船は、津波という人間の力では及ぶことができない自然災害の威力を物語っていますね。
当時はよくテレビ放送で取り上げられていましたのでよく覚えています。
【現地レポ】<大槌町>
— いわて未来づくり機構~いわて三陸復興のかけ橋~ (@iwatemiraikiko) February 3, 2021
◆震災で観光船乗り上げた民宿・取り壊し工事の様子
東日本大震災津波で 観光船はまゆり が乗り上げた、大槌町赤浜の旧民宿あかぶ。
観光船を復元し遺構としての保存を模索していましたが、資金不足で断念。残念ながら解体撤去作業が始まりました。
2021.2.2📸 pic.twitter.com/okDB04kakv
乗り上げられた観光船『はまゆり』は撤去されましたが、『民宿あかぶ』跡地に当時の写真看板が設置されているようです。
巨大な防潮堤(岩手県下閉伊郡山田町)
芹澤のオープンカーに乗せてもらい、鈴芽と環は故郷の岩手を目指します。
走行中の風景に現れる、巨大な防潮堤が印象的でした。
ここをよく通る地元民は、すぐ気づいた人も多いかと思います。
大沢漁港の付近の防潮堤です。
こんな海もまったく見えなくなるようなズドーンと垂直な防潮堤、数年前まではありませんでした。
当時の山田町も震災で壊滅的な被害にあったという事実がこの壁でわかりますね。
※グーグルマップストリートビューに防潮堤はまだ写ってません
高台から見た山田湾の風景(岩手県下閉伊郡山田町)
引用:(C)2022「すずめの戸締り」製作委員会
鈴芽が暮らしている港町の風景のモデル地は、宮崎県や九州地方にある港町が有力とされています。
このような形状の漁港は日本全国を探せばたくさん似た風景は存在していると感じます。
岩手県沿岸部出身の鈴芽と環がどんな事情で南九州に移住したかはわかりませんが、故郷と雰囲気が似ている地を無意識に定住地として選んだ可能性もあります。
奥に見える小島が通称オランダ島と呼ばれる島とかなり似ていることから、山田町かな?とピンときました。
そのモデル地とは、山田町にある山田湾です。
どうでしょう?雰囲気が似ていますよね★
すずめの戸締りの扉(山田町)
なぜオランダ島?!オランダ人の船が迷い込んだ過去があるからです
三陸鉄道リアス線・織笠駅(岩手県下閉伊郡山田町)
物語の終盤で、鈴芽と草太がお別れをするシーンに登場する『織笠駅』です。
織笠駅はJR山田線にあった駅ですが、津波で流されてしまったので場所を高台のほうへ移転してできた新しい駅のようです。
ここは早くも『すずめの戸締り聖地巡礼スポット』として話題となり、駅の中には映画のポスター・イラスト【すずめの駅ノート】まで設置されています!
到着するとすでにすずめの戸締りファンの方がおり、仲間意識が芽生えます★
無人駅ということはわかりますが、思った以上に小さなかわいい駅でした🌸
電波塔(岩手県宮古市)
鈴芽の実家があった跡地の風景に写り込む電波塔です。
この電波塔がある宮古市赤前も津波の被害に遇った地域です。
震災当時の被害状況の様子は、鈴芽が後ろ戸に入った先の常世のシーンとほぼ同じで、すごく込み上げてくる思いでした。
この近くで、環が鈴芽を乗せて壊れた自転車をこぐシーンの場所も発見してしまいました!
すずめの戸締りの扉(宮古市)
観光地とおすすめグルメ★(宮古市・山田町)
鈴芽と環の故郷の舞台となった宮古市と山田町で私が立ち寄ったスポットをご紹介します。
聖地巡礼として訪れた際の参考にしていただければ嬉しいです。
道の駅やまだ
休憩スポット【道の駅やまだ】
ここで珍しい『わかめソフトクリーム』が食べられます★(この日わかめはお休みしてました・・・。)
写真右の『あずきばっとうソフト』は、きなこやつぶあんといった和風味で餅みたいな麺?が入った珍しい触感。
超甘党の人におすすめです!
珍味くじらの刺身が売っていたので、試しに購入。
かたわらに写っている『富士勇のミニ醤油』は刺身に合う美味しい醤油です。
しかし、くじらの刺身は癖が強い!馬刺しのようなイメージをしてましたが・・・。
結果、ニンニクショウガがっつり系で合わせたらいけました★
挑戦してみたい方はどうぞ。
→道の駅やまだの地図はこちらです
宮古市魚菜市場
ランチスポット魚菜市場【丼の店おいかわ】
宮古市の魚菜市場の中にある店舗、丼の店おいかわです。
海鮮丼などどれもこれも美味しいのですが、特に『浜ラーメン』が最高なのです!
あっさり塩味だけど魚貝のダシがつまって深みのある美味しさ。
胃に優しいスープ全部飲み干せちゃいます💖
観るだけでも楽しい魚菜市場では、捕れたて新鮮な魚介をスーパーで買うより安く買えますよ。
→宮古市魚菜市場の場所はこちらです
岩手県沿岸をめぐるバスツアーあります!
おわりに
作中で、椅子の姿に変えられた草太が意識が薄れていく時の、足元から凍り付き沈んでいくような寂しく悲しい描写は津波に飲みこまれた被災者の悲しみを表現したのでしょう。
鈴芽の故郷を巡ってみて感じたのは、東日本大震災から11年経ったとはいえまだ傷跡のようなものが心の奥底で残っていて更地となった土地や、真新しい建物群が当時の状況をどうしても思い出してしまいます。
新海誠監督が映画を通して皆へ伝えたかった思いと、自分も含め被災の当事者ではない人たちの思いはたぶん重なります。
当事者ではない我々は土地の神様を拝むのと同じように、被災者を追悼する気持ちを忘れてはいけないと感じました。
以上、最高のアニメ映画『すずめの戸締り』の聖地巡礼レポートでした!
この記事をみて興味を持った方、ぜひぜひ岩手におでんせ★
『すずめの戸締り』劇場公開にともなって、『天気の子』『君の名は。』が見放題で配信中!
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